たばた裕明の活動報告

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活動報告

永田町通信 第77号 ~年末恒例の税制改正議論が12月16日に決着 パート2~

2022.12.21 up

自民党税制調査会は、例年11月中旬から翌年度の税制改正項目を議論開始し、概ね12月中旬に決着を迎えます。税調での各租税の扱い(税率等)が決まれば、予算編成作業が佳境を迎え、各省庁予算において租税措置に関する予算を計上できるからです。年内に令和5年度当初予算案を政府・与党で決定し、来年1月からの通常国会で予算案や税制改正法案を審議する流れです。
 
今年の税調において特筆すべきは、12月8日与党政策懇談会において岸田総理から防衛力強化の考えが示され、今後5年間で必要な整備計画を積み上げ43兆円程度の予算規模を目指すと表明されました。そして5年後の令和9年度以降は毎年4兆円の追加財源確保が必要であり、その内、4分の3は歳出改革や決算上預金の充当など工夫して賄うこと。ただし、残り4分の1の約1兆円余は国民の税制でご協力をお願いしたい考えが示されました。
この岸田総理からの具体的な指示により自民党税制調査会において、私も想定していませんでしたが、防衛力強化のための財源確保議論が提起されたことが特筆でした。
 
まず9日(金)に政務調査会全体会議(国会議員誰でも参加でき意見表明できる場)が開かれ約2時間余に亘り財源議論が行われました。翌週13日(火)に初めて税制調査会の場で3時間余に亘り議論。私の考えは、あくまでも現下の日本を取り巻く安全保障環境の激変に対して防衛力強化の方針は異論なきものです。そして安定的な恒久財源でそれを賄い、抑止力含む防衛力強化に別次元で取り組むべきと考えます。陸・海・空のみならず宇宙空間、サイバー空間への対処も抜本的強化が必要です。
 ただし、国民への説明や国民の理解・納得がなければ、そう簡単に国民に対して税制で協力を求めることにはつながらないと考えます。
 14日(水)も税調が開催され2時間余の議論。ここまで、増税反対・賛成派双方の主張が展開されました。私はすべてに参加し、自説・持論を述べました。
同時に、少子化も国難であり安全保障政策だ。少子化対策の安定財源確保も税制の議論をお願いしたい旨も主張し続けました。
 
そして翌15日(木)にも税制調査会が開催され、宮沢洋一税調会長より、これまでの各議員からの発言等を受けて、一定の方向性が示されたのです。結論から言うと、令和9年度から毎年度必要な1兆円余の防衛力強化のための国民の負担(増税)の①実施時期は令和6年度以降の適切な時期とする。 ②法人税は法人税額に4~4.5%の新たな付与税を課す。ただし中小企業に配慮する ③個人所得税は所得税額に当面の間、税率1%の新たな付加税を課す。復興所得税を1%引き下げる。(トータルの負担はプラスマイナスゼロ。)当然、復興財源は変化させない。④たばこ税は1本あたり3円相当の引き上げを段階的に検討する。上記の案で宮沢税調会長に一任となり、この日の議論も2時間余でした。そして翌16日に自公において税制改正内容のすり合わせが行われ今年の税制調査会議論が決着をみたのです。
 
自民党の永年の知恵として一応の着地となりました。年明け以降、党内で安定財源を議論するPTも立ち上がる見込みであります。国防、安全保障に対する国民的対話、議論を加速化させ、かつ日本経済が成長し賃上げの流れを着実にするための政策遂行に私自身も取り組んで参ります。当然、無駄な歳出改革や不用な予算執行に厳しく目を光らせます。