たばた裕明の活動報告

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活動報告

永田町通信 第51号

2017.06.09 up

~国会会期末に向けて~
                                              平成29年6月9日
 1月から始まった通常国会も6月18日の会期末が近づいてきました。衆議院においては政府提出の法律案は、ほぼ採決が行われ、法案審議の主戦場は参議院に移っています。衆議院において、8日の本会議で強姦罪等の処罰をさらに厳しくする刑法の改正案が可決し参議院に送ったのが最後の重要法案でした。また本日、参議院本会議で、天皇陛下の退位を実現する特別措置法および衆議院選挙区割り変更の公職選挙法改正法案が採決され、与野党の賛成多数で成立しました。
陛下の退位に関しては1代限りに認め上皇に即位されます。退位日は3年を超えない範囲で政令により定められます。天皇の退位が実現すれば、1817年に退位した光格天皇以来約200年ぶりであります。5月28日第64回全国植樹祭が天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ富山県魚津市にて開催されました。国民に対する慈愛に満ちた御姿に私も地元で触れることができ感激いたしました。


衆議院の区割り変更は、6県で各1選挙区が減員、比例代表の定数も4減します。これにより衆議院の定数は465となり戦後最少となります。6県を含む97選挙区で区割りを見直し、「1票の格差」を2倍未満に是正することとなります。むろん、選挙区が削減される県は、すべて三大都市圏以外であり、地方からの選出の国会議員の数が削減されるのです。現行の憲法の規定では人口に基づいて国会議員定数が定められることとなっているのでどうしようもない現実があります。
地方自治や統治機構の在り方について憲法改正議論においてもテーマとして取り扱う必要があると考えるものです。なお、富山県内においては区割りの変更はございません。


さて現在、衆議院では憲法審査会が毎週1回のペースで開催され、毎回個別テーマを設定し各党や各議員より意見陳述がなされています。6月8日のテーマは「第1章天皇」についてでした。
ご承知の通り、日本国の皇室は、万世1系125代に亘り綿々と男系天皇で皇位が継承されています。皇位継承について様々な意見が交わされつつある現状ですが、憲法2条において「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と規定されています。そして、皇室典範第1条に「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と規定しています。私は、皇室を抱く我が国の国体、皇室に対する権威の象徴としての歴史的な尊崇の念の積み重ね、幾重にもこれまで男系天皇の敬称の維持の危機を乗り越えてきたこと等々を考えるに、大前提として、男系主義での皇位継承を堅持すべきと私は考えます。
なお、女性皇族の婚姻による皇族からの離脱に伴う皇室行事への対応の様々な障壁に関しては、皇位継承とは切り離し、その在りようを検討すべきかと考えます。
昭和天皇、今上天皇が果たしてこられた象徴天皇制は、広く国民に根付いていると思います。
今後も象徴制は堅持し、天皇の権能としての国事行為、公的行為、それ以外の行為を意義も含めてきちんと整理し、皇太子が即位された後のご負担についても、聖域とせずに国会で議論すべきと考えます。
今後の憲法審査会では、これまで議論したテーマにおける意見の論点整理、ならびに憲法9条の規定に関する議論も正面から行おうとの意見が与野党より出されてことを付言したいと思います。

なお、現時点では、会期末に向けて緊張感を保ち、より丁寧な議論と国会運営に取り組んで参ります。